パラスティック・ソウル-おわりの章-

2012年03月28日 20:43

近未来オムニバスシリアス系耳シッポモノ
お気に度 5点     H度 4点

今年一月に発売された「パラスティック・ソウル 〜はじまりの章〜 」の続編にして「パラスティック・ソウルシリーズ 」完結巻?
近未来を舞台にした、耳しっぽ系シリアスSFです。

今回も三話の中編が収録されていますが、一話目が「カグヤ」に掲載され、二話目は「Dear+」で、ラストが書き下ろしになっています。
どのお話も、とっても面白かったです!

いろんな謎が解けました。
ハイビルアの謎もわかりました。
一組の男女カップルは、たくさんの子供に恵まれ、幸せに暮らしています。
ある男男カップルも、とても幸せに暮らしているようです。
前巻一話目では、どうなることかと思っていましたが、ラブラブです。
この紆余曲折が読みたかったので、ちょっと残念です。
ある男男カップルは、ハードな船出となりましたが、幸せなのでしょう。
前巻に出てきた、犬と人については、よくわかりませんでした。

とても面白かったです。
「Dear+」に掲載されている作品が多いので、ボーイズラブも、ちゃんと読めます。

後書きによると「これをベースに、まだまだいろんな方向へ話を進めていけそう」ということです。
が、正直、続編が出ても読まないかなあ、と思います。
このお話は、面白かったです。
とっても面白かったですが「ボーイズラブ」の世界を離れ、「SF」にシフトチェンジする予感がするからです。
SFを読むなら、何も木原さんでなくてもいいかなあ、という気持ち……。

ただ今回の「パラスティック・ソウル」はオススメです。
設定に癖があるせいか、木原節は薄めなので、「SFファンタジーBL」がOKな方は、「ボーイズラブ」としても、かなり面白く読めると思います。
オススメです。

さて、エロ。
まあ、木原さんなので、BL界平均値で勘弁してあげます(←上から目線)。
そこは、もともと期待していないので。
ただ、かなりのチャレンジと思います。
受けは、数十年か数百年かという時を生きていますが、現在の肉体は12歳。
大丈夫なのか?と思いました。
amazon木原音瀬

獅子の寵愛

2012年03月28日 20:43

28歳第五王子×24歳財閥御曹司槇村蘇芳
お気に度 3点     H度 5点

昨年11月に発売された「獅子の系譜 」の続編にして「獅子シリーズ 」の完結巻です。
挿絵には、本当にほれぼれしますね。

獅子の系譜 」を読んだときに、まったく好みじゃないなあ、と思ったので、超斜め読み。
斜め読みしての印象ですから、いい加減です。

まず受け。
受けは、肉欲に弱くて、エッチ大好きな御曹司?
受けは、私情私怨で、企業を動かす御曹司?
受けは、無責任な御曹司。

そして、攻め。
攻めは、自分に甘く、他人厳しい第五王子?
攻めは、言い訳と自己弁護の激しい第五王子?
攻めは、無責任な第五王子?

全然気にならなかったけれど、張り巡らされてた枝葉も回収し、大団円。
ああよかったね。

まあ、厚顔無恥同士、理屈屋同士、無責任同士、気が合うんじゃないかなあ、と思いました。
よかったね。

さてエロ。
攻めとのエロ。
お付とのエロ。
二人の攻めとのエッチシーンが読めます。
ここは濃厚濃密です。
amazon遠野春日

故きを温ね、新しきを知る

2012年03月27日 23:55

外科医江南耕介×法医学者永福篤臣
お気に度 3点     H度 3点

メス花 」シリーズも、9作目。
これから派生した「楢崎先生とまんじ君 」が出ています。
更に、K医大を舞台にした「茨木さんと京橋君 」も出ています。
更に更に、同じK医大を舞台に、プラチナ文庫から、も何冊 か、出版されています。

「いいお話」でしたが、トキメキやドキドキは皆無です。
「そろそろ倦怠期というころに、昔の恋人や新たなライバル登場が定番だけれど、それを書こうとは考えない二人」というのが、作家さんのあとがきにありました。
「ボーイズラブ的」に、楽しめるのなら、どういうお話でもいいのですが、萌え薄め。
というか、主役二人が、男夫夫という以外に、BL的要素は、なかったかと思います。

今回は、新たなイマドキ医学生が、やってきて重大な問題を起こす。
若い女性が、胃癌で亡くなる。
大西(←腕も性格も顔も悪く、かつて篤臣に手を出そうとしてことのある医者)の恋愛・結婚に一役買う。
法医学教室もサバ子も大活躍。
主役のいざこざとしては、結婚指輪がなくなるけど発見される。

こんなお話です。
若くして、末期癌と告げられた女性と、過去の呪縛に囚われた医学生とのハートウォーミングな交流とか、女性の死に様とか、医学生の反省とか、楽しめません〜。
ここまでの重みを求めて、BLを読む方は少数派だと思います。
主役二人に波風立たせない、他人の恋路など、どうでもいいです。
ましてや、その相手が女性なんて、発展性ゼロ。
ついでに、サバ子のうざったさも際立っておりました。

もう、このシリーズ以外は、購入していないのですが、それも厳しいなあ、と思いました。

さて、エロ。
夫夫ですから、体でも会話しています。
ただ、エロいか萌えるかと聞かれれば、ノーって感じかな、と思います。
amazon椹野道流

そんなサービス困ります

2012年03月27日 23:55

温泉旅館若旦那周慈バ×24歳会社員明石莉咲
お気に度 3点     H度 4点

温泉旅館の若旦那と、ちょっと惚けた会社員の恋のお話。
「いつものお話」ですが、ここ数年感じてしまう「手抜き感」は、否めないですねえ。
今回、受けの職業が明かされ、職場でちょっとやきもきする事件が起こりますが、とってつけた感がアリアリです。
うまく言えないのですが、なんかこう、もうちょっとこう、やる気だそう、と思ってしまいました。

一か月に一度一泊二日で、お気に入りの温泉旅館に通う、莉咲。
温泉もお料理もサービスも最高。
また、若旦那との、ちょっとしたやり取りも楽しみ。
年が近いせいか、親近感を感じています。

ある日、いつものように温泉に行けば、そこには、若旦那がいました。
「背中を流します」というサービスが、なぜか、濃密な方向にいってしまいます。
そこで、自分の気持ちを見つめてみると、みたいなお話です。

徹底的に会話で、恋が進行しています。
「一月に一度」しか会えないですが、二年も通っています。
でも、恋愛自体は、二日間で成就しています。
なんだろうなあ?
攻めもいい人だと思うし、受けも良きアホぶりだと思うのですが、どこか薄っぺらい感じ?
何かが足りなすぎる、と思いました。

さて、エロ。
お背中流しますいたずらB'と、ラブラブHが一回。
通常より少なめですが、可愛いあんあんHが楽しめます。
amazon森本あき

ファントムレター

2012年03月17日 20:45

幼馴染再会愛モノ29歳リーマン田倉訓×シェフ梢野真頼
お気に度 5点     H度 5点

メチャクチャ面白かったです。
すっごい好みのお話でした。
砂原さんのシリアス系ラブストーリーでは、久々の大当たり!
しっとりした大人の恋のお話です。

面白かった上に、3倍お得な文庫となっております。
主人公は、幼馴染で、元恋人同士だった、田倉と梢野。
現在29歳で、リーマンとシェフになっています。
裏主人公?は、小学6年生の治と双葉。
子供の淡い初恋にも、触れられています。
さらに、田倉と梢野の小学校時代から高校時代にかけての関係も、詳細に描かれ、切ない気持ちになれます。
「凝った」と言ったら失礼かもしれませんが、本当に面白かったです。

親の離婚で、祖母が住んでいたという九州の家に引っ越してきた、小学校六年生の治。
学校にも、田舎そのものにも、なかなか馴染めません。
ある日、納屋で、20年前の手紙を見つけます。

手紙を書いたのは、真頼という小学生3年生(20年前当時)で、その手紙には、自分と同じく、都会から引っ越してきて、馴染めない鬱屈が書かれていました。
真頼の「手紙」に共感しながら、読み進める治。
最初は、文句ばかり綴っていましたが、「訓」という友達ができたことで、生活がイキイキしたものになっていくのを読みます。
「結局、真頼は自分とは違ったのだな」なんて思いますが、治にも双葉というお友達ができ、一緒に遊ぶようになります。

一方、29歳になった、大人カップルの田倉と梢野。
東京で再会し、現在は「オトモダチ」。
田倉は、梢野のレストランの常連客です。
梢野は、早くに結婚し、すぐに妻を亡くした、という過去がありました。
田倉には、現在、結婚を考えている恋人がいます。

恋人同士だったはずの二人に、いったい、何があったのか?
九州時代のことは、治の読む手紙で知ることができます。
小学生から高校を卒業するまでの間に、「友達」から「親友」へ。
そして「恋人同士」へ。
どんどん仲良くなる二人の様子が、徐々に明かされていく展開なのに、現在は、シラッとした「オトモダチ」。
手紙の二人は、本当に楽しそうで、イキイキしていて、強く思いあっているのがわかるのに、どうして今は?と、本当に気になりました。

この「オトモダチ」状態から、再び「恋人同士」になるまでのお話が、一番の軸かなあ。
29歳現在でも、結婚歴があろうが恋人がいようが、二人が「思いあっている」のは、伝わってくるのですよ。
なんだかんだで、マメに会っているし、会うたびに知るたびに、互いへの思いが深まっていくのがわかります。
それなのに、梢野は田倉に結婚を勧めるし、田倉は田倉で、それに乗ろうとするし。

若いころの二人と、現在のギャップとに、本当にヤキモキさせられました。
この対比が、本当に見事だったのですよ。
みずみずしくも深い二人の愛情に触れたと思ったら、現在の薄氷を踏むような白けた関係を目の当たりにして、もどかしくてたまりませんでした。

一方、小学生カップル未満の治と双葉。
お互い、少し家庭に問題がある寂しい子供です。
そういうところにシンパシーも感じたのかなあ。
斜に構えた都会っ子の治でしたが、心穏やかで凜とした風情の双葉と、子供らしい遊びをするうち、双葉には、心を開いていきます。
また「真頼の手紙」の存在も、双葉にはバレて、二人で、真頼の少年時代の軌跡を読み進めていきます。
「秘密の共有」は、距離を縮めますよね。
そして、友達から、自覚のない淡い恋へと発展します。
それは、双葉も同様のようです。
男女間であれば、かなり微笑ましい感じですが、男男間。

初恋相手が同性なんて、普通は悩みそうなものですが、治は、かつて同性に恋し、ラブラブにやっていた「真頼」の軌跡を知っています。
真頼は、マメに手紙を書いていて、小学生だった真頼が、高校を卒業するころまでの記録がありました。
最後の手紙は「二人で生きていく」と、駆け落ちを決めたものでした。
現在も、二人は幸せに生きているのだ、と信じています。
そのせいかな〜?
自覚もまだのうちに、キスしてしまいますが、それを同級生に見咎められ、からかわれ、ケンカ。
双葉と一緒に、真頼に会いに行こう、と考えます。

さてさて、というお話です。
もう、本当にヤキモキ。
本当に面白かったです。
大人カップルが、まとまったときには、ほっとしましたよ〜。
小学生カップルのほうは、まあ、あと5年は待て、という感じですが、一旦、落ち着きました。
治×双葉で、この二人の5年後10年後が読みたいです。

とても切ないお話です。
本当によかったです。
ぜひぜひ、ご一読を!!

さて、エロ。
ここも手抜きなしですよ〜。
心が通い合う前のちょっとイタイようなH。
そして、20年目の愛情を確かめ合うH。
どちらも、濃厚濃密。
艶っぽくて、愛のある、とても好みのHシーンでした。
また、詳細に描かれてるわけではありませんが、高校時代の二人のHシーンも、ちょこっとだけ読めます。
なんだか、かわいくっておかしくって、切ない気持ちになりました。
amazon砂原糖子

ヘブンノウズ

2012年03月13日 21:25

現代モノファンタジーサスペンス34歳人気小説家渋澤征武×21歳フリーター千野旭
お気に度 5点     H度 3点

めちゃくちゃ、面白かったです。
「続く」で終わっていますが、それほど、イライラするラストではありません。
まだ、序章の段階で、この一巻目は、きれいに終わってますので、完結してから、まとめ読みするより、先に読むほうがいいかと思います。
そのほうが、世界観をしっかり把握できる気がします。

殺人事件が起こります。
ある意味「いつもの英田ワールド」なのですが、抑え目ですね。
「幽霊が見える」などというファンタジックな部分を取り込んでもいます。
奈良千春さんとのコンビなので「エス 」を彷彿とさせますが、あそこまで、張り詰めた緊張感はありません。
こちらのほうが、浮遊感があります。
でも、これから主人公たちが対面していくであろう事件は、重くなりそうです。
このままのテイストを維持してお話を進めてくれたら、すっごく面白くなりそうです。

後書きにもありますが「ラブ&エロ成分は薄め」です。
まだ、ほとんど何も始まっていません。
大体において、英田さんのお話には「萌え」が不足してるので、やや心配なのですが、今回は、大丈夫な予感がします。
受けが、いつものタイプとは違うので、そこらへんも頑張ってくれそうです!

お話の展開は「ホワイトカラー (←アメリカの犯罪ドラマ。オススメです!)」みたいになるのかなあ、と思います。
基本、一話完結。
しかし、主人公の抱える問題や、恋愛等は、話を重ねて解決していくような感じ。
かなり期待できるシリーズになりそうな予感。
嬉しいです!

母子家庭ながら、お気楽に大学生をしていた旭。
しかし、母の死により、状況は一変し、腹違いで年の離れた弟と二人暮らしになります。
母は、殺人事件の被害者になりましたが、いまだ、その事件は解決していません。
弟のミツルは、母が殺されたとき、自宅にいました。
その後遺症からか、緘黙症になり、現在、一切の言葉を発することができません。
また、外出することもできません。
そんな弟と二人、レストランでアルバイトをしながら、日々、頑張っています。
もし、あの日あの時こうしていれば、あんなことを言わなければ、あんなふうに思わなければ、と後悔を抱えたまま。
唯一の趣味といえば、イラストをネットで公開することくらいです。

ある日、そんな兄弟に、転機が訪れます。
人気小説家の渋澤の新シリーズの挿絵に、素人の旭が抜擢されました。
それ以降、渋澤と渋澤家の愉快な面々とかかわっていくことになります。

今回起こる「一話完結の事件」は、旭が勤めるレストランの女性従業員の殺人事件です。
この解決には「幽霊が見える」という渋澤とミツルが、大活躍します。

シリーズ通して、解決していくであろうことは、まず、旭とミツルの母親の殺人事件。
絶対に恋はしない、という渋澤の過去。
渋澤と旭の恋愛模様。
そうそう。
渋澤家に居候するにあたり「入ってはいけない部屋」も指定されています。
ここは、確実に入りますね!
その他諸々。

サイドストーリー的に、渋澤家で同居する愉快な面々についても描かれるかと思います。
もしかしたら、こちらは、リンク作になるかもしれませんね。

「変わった人」である渋澤に、旭が好意を抱いた時点で一巻は終了です。
前途多難な恋になりそうですね。
これは、ぜひ、読んでいただきたいです。

最初にも書きましたが、shyノベルズで、挿絵が奈良千春さん。
どうしても「エス 」を彷彿とさせます。
比較するものでもないのですが、このお話の雰囲気が伝わればいいなあ、と思うので、ちょっとだけ。

キャラの雰囲気は、確実に違います。
「エス」の攻めは、豪胆傲慢というタイプでしたが、こちらの攻めは、落ち着いた大人ですが、ちょっと変わっていて、謎めいたところがあります。
受けは「エス」同様、家庭には恵まれていませんが、性格はまるっきり違います。
「エス」の受けは、繊細で、意地っ張りで、強そうで脆いガラスのようでしたが、こちらの受けは、ごくごく普通の男の子です。
頑張り屋さんだけれど、弱いところもあり、それ以上に逞しいところもあります。
普通の子が、こういう事態に直面したら、こういう風になるんだろうなあ、と納得できる感じです。
個人的には、攻めはどちらのタイプも好きですが、受けは、このヘブンノウズの子のほうが好きかなあ、と思います。

それから、お話の雰囲気。
「エス」は、男らしい、というか、Vシネマ風というか、骨太なお話でした。
今回のお話は、ファンタジックで、真綿で首を絞められるような、じわじわと迫ってくる空気のお話です。
私は、こういう雰囲気が、かなり好きです。

さて、エロ。
こんな感じなので、現段階では期待できません〜。
一応、BLなのでサービスショットは入れときました、という程度かな〜。
amazon英田サキ

ヤクザな神様

2012年03月13日 21:24

高校同級生再会愛モノヤクザ東濃晴佳×禰宜(神主)川浪史朗
お気に度 5点     H度 4点

面白かったです!
10年物の再会愛。
ヤクザと禰宜というカップリング。
白黒パンダカップルは、わりと、それだけで萌える。
自分の中の萌えを、またひとつ発見しました。

私利私欲を滅し、神に使える。
かつては、活発で、明るいタイプの少年でしたが、高校時代のある事件をきっかけに、そう考えるようになりました。
今では、態度も口調も改まり、すっかり禰宜が板についています。

史朗は、高校時代、親友・東濃の子供を身ごもっている、という女性の事故死に、少しだけ関わってしまいました。
史朗が悪いわけではないのですが、償いのために、東濃と関係を持つことを強要され、卒業したとき、あっさり捨てられてしまいます。

女性の事故死の原因は、誰が悪いということでもありません。
強いて言うなら、誰彼かまわず関係を持ち、面倒になったら相手を切り捨てた東濃のせいかと思います。
また、東濃に嫌われるほどつきまとい、妙な妄想を垂れ流した、その女性の心根にも、少しは原因があったのかもしれません。
そして、「親友」である東濃に好意を持ってしまった史朗が、その嫉妬心のため、少し間違った対応をしてしまったのかもしれません。
小さな恋愛のイザコザに、マゴマゴしていた間の悪いときにトラックが来た、という感じです。

史朗は、罪悪感から逃れられないまま、禰宜として神に尽くしてきました。
しかし、東濃と10年ぶりに再会してしまいます。
「距離を置こう」とする史朗。
過去の罪を思い出したくないし、東濃に気持が残ってることを感じるのもイヤだったからです。
しかし、東濃は、お構いなしに史朗の元へやってきます。
東濃が何を考えているかわからない、という点にも、不安を感じます。
軽く近づいてきて、からかったかと思えば、見えないところで、ちょっとした優しさを発揮してるのを知り、心が揺れたりします。
東濃の目的がわかりません。

時期を同じくして、神社が守る山の買収したい、という話が持ち上がります。
近隣に、素敵なスパリゾートを建設するためです。
建設計画に反対する住民も賛成する住民もいて、小さな町の空気は、一気に悪くなります。
建設会社側からみれば、神社の土地は、もっとも大切なところでした。
神社が売った、となると、反対住民の気勢も削げることから、ターゲットを神社に定め、嫌がらせを受けることになります。
ヤクザを使った脅しに、小火程度とはいえ放火。
しかし、脅迫に屈するわけにはいきません。

禰宜として、史朗は凜とした考えを持ち、柔らかく立ち向かっていきます。
その間も、東濃は現れます。
東濃の目的は、ひょっとしたら、と疑うこともあり、余計に疲れる毎日となります。

さて、神社を守ることはできるのか?
二人の恋の行方は?

という感じでしょうか?
とっても面白かったです。

肝心なことを言わないくせに、史朗を縛りつけようとする東濃。
罪を背負って、一生神に仕える、と決めた史朗の頑なさ。
押しても押しても、史朗から芳しい返事が得られず、イライラする東濃の気持ちもわかりますが、言葉足らずですからねえ。
あと少し、素直になれば、あと少し、柔軟になれば、あっという間にラブラブなのに、なかなかそうはいかず。
ヤキモキしながら、楽しみました。
「もうちょっと」のところでモタモタしちゃうパンダカップルのお話。
相当、ツボにはまりました。
地上げの事件も、かなり読み応えあります。
とても面白かったので、ぜひぜひご一読を。

さて、エロ。
好みのエロでございました。
可愛らしいセクシーなHだったと思います。
H描写に集中したシーンが、もう少しあってもよかったかな、という気はします。
あと一声。
amazon李丘那岐

運び屋恋愛事情

2012年03月12日 23:56

運び屋25歳小野寺和哉×23歳新人運び屋安藤恭吾
お気に度 5点     H度 5点

面白かったです!
逞しくて、可愛らしい天然受けが、超ツボにはまりました!
もちろん、内容も面白かったです。
「BLサスペンス」とまではいきませんが、さすが洸さん。
ドキドキハラハラさせられました〜。
最後まで、一気読みです。

入社3ヶ月目で、勤めていた会社が倒産してしまった恭吾。
両親をなくした後、育ててくれた親戚家族に心配させるのも本意でなく、悩んでいたところ「運び屋」の仕事を紹介されます。
初仕事は「運ぶモノの情報は一切明かせない」という怪しい仕事。
組まされたパートナーの小野寺は、無口でクールでした。

おっとりでお人よしな恭吾は、なんとか小野寺とコンタクトをとろうとしますが、取り付く島もありません。
しかし、恭吾は小野寺に好意を持ってしまいます。
仕事はきっちりするし、理不尽なことは言いません。
無口でクールで謎のありそうなタイプに、たまに優しくされると惚れてしまうのですねえ。
わかります。
「知りたい」と思ってしまいますよ〜。
前半は、小野寺に「告白」したところで、終了です。

後半は「恋人同士」になるまでのお話です。
つれない相手に、前向きに、一生懸命頑張っています。
悲壮感がないところがいいのですよねえ。
なんだか、元気の出る努力です。

ただ、頑張ってるのですが、空回りしてる感も否めません。
空回りしていますが、苦労人だけあって「空気」を読みます。
押し付けがましさのないところがいいですよ、本当に。
小野寺の元彼が登場したりして、落ち込んだりすると、小野寺のフォローが入ります、ちゃんと。
事件を絡めながら、二人がラブラブになるまでを楽しく読みました。

映画「トランスポーター 」を彷彿とさせる設定ですが、あんなにハードでもなければ、謎もありません。
「運ぶモノに関する情報をもらえない」というのは、小野寺の意地悪みたいなものですから。
厳密でも厳格でもないのに、かなりスリリングです。
本当に面白かったです〜。

気になるのが、運び屋事務所の元警察官と元ヤクザ。
ヤクザ攻めで、ひとつ、リンク作をお願いいたします〜。

さて、エロ。
可愛らしくて、結構、濃厚です。
かなりいやらしい空気があります。
でも、それほど背徳感はありません。
かなり好みのいいエロシーンでした。
amazon洸

真夜中の蜜約

2012年03月12日 23:54

可哀想受けモノ弁護士深見秀隆×大学生倉田優樹
お気に度 3点     H度 5点

可哀想受けのシンデレラストーリーです。
可哀想受けが、救われるまでの過程。
救う攻めの謎や腹の内。
読み応えはありましたが、イマイチでした。

負債を抱えたまま、両親が自殺し、叔父夫婦とその娘に、虐げられてきた優樹。
つらい毎日を、それでもひたむきに生きていました。
しかし、ある日。
叔父に、取引先の老人にの慰み者になるように命令されます。
あまりのことに家を飛び出す優樹。
偶然出会った秀隆と、一晩、寄り添うように過ごし、結局、連れ戻されます。
そして、老人の性奴隷として、嬲られるようになります。
追い討ちをかけるように、あの夜、優樹に寄り添ってくれた秀隆が、従姉妹の婚約者として現れます。

どうにもならない日々に投げやりになる優樹に親切にしてくれる秀隆。
秀隆へ傾く気持ちはどうしようもなく、二人は、体を繋げる関係になります。
隠れて「恋人同士」として過ごすようになります。
幸せに思えたのもつかの間。

秀隆には、目的がありました。
そのため、優樹は利用されたのでした。

秀隆の目的とは?
叔父夫婦と従姉妹の罪とは?
二人の恋の行方は?

盛りだくさんです。
とても練られたお話です。
意地悪な叔父家族の罪が暴かれるまで、罰を受けるまで、本当に面白かったです。

ですが、最初に書いたように、イマイチでした。
理由を考えて、思い当たったのはエロシーン。
私は、誰憚ることなく、自分がラブエロッチャだと、宣言してしまいますが、それでも、厳しいエロでした。
シリアス系のBLのHシーンを読んで「色っぽい艶っぽい」とか「セクシー」とか「官能的」とか「いやらしいぃ〜」とか「エロチック」とか「ずばりエロイ」とか「肉感的」とか思うわけですが、今回は、これを越えてました。
「きたない」とまではいいませんが「汚らしい」と思ってしまいました。
「勘弁して〜」という感じ。

受けは、老人に嬲られますが、最後の一線は守られます。
逆恨みした従姉妹の策略に嵌り、輪姦されそうになります。大概、色々されますが、こちらも最後の貞操だけは守られます。
「合体したのは攻めとだけ」という状況なのですが、それでも、きたならしい……。
過ぎたるは及ばざる如し。
そんな風に感じました。

エロにも節度と限度があるような気がするエロでした。
amazonいとう由貴

初恋のあとさき

2012年03月05日 23:39

高校同級生再会愛モノカフェ店長美山洸平仁科透
お気に度 5点     H度 5点

07年に発売された「シグナル 」から派生した「嵐のあと 」のリンク作になります。
シリーズ3作目です。

さて。
ビックリした。
オバチャン、ビックリしたわよぉ〜、もうぉ〜。
美山、攻めてます。
絶対受けと思っていた、というか、榊相手のときは、受けてましたよね。
リバOKという本人申告ですが、どちらかといえば、攻めよりなのね、と思いました。

建築関係の会社に勤めている仁科。
打ち合わせのため訪れたカフェは、高校時代の親友・美山のお店でした。
10年ぶりの再会を懐かしく思いますが、美山は、仁科を覚えていない様子。
ガッカリすると同時に、これでよかったのだ、とも思います。
なぜなら、高校時代の二人は「親友以上」の関係だったからです。
それを、一方的に傷つけ、終わらせたのは仁科でした。

その後、足繁く、美山の元へ通う仁科。
ある日「本当は覚えているのだ」というようなことを美山に言われます。
そして、高校時代に美山を切り捨てた仁科の言動を、まんま言われてしまいます。

周囲の目や、常識や、相手の重すぎる気持ちにしり込みしてしまった仁科。
そんな仁科に傷つけられた美山。
二人は、もう一度、やり直せるのか?というお話でした。

もう、すっごいよかったです。
二人の現在と、高校時代が交互に描かれています。
美山視点・仁科視点、と視点もスイッチします。
もうね、本当に面白かったです。

タイプの違う二人が、なぜ、高校時代に、友達になり親友になりそれ以上になり、最後、傷つける結果となったのか?
とても、切なく読みました。
この高校時代のエピソードは、本当によかったです。

そして、傷つけた仁科と、傷つけられた美山は再会します。
今度は、どちらかといえば、仁科が美山を追いかける感じになりますが、本当の本当は、美山のほうが不安なんでしょうね。
現在の二人が、距離を縮めていく様子も、切なく読みました。
いい年して、傷つけあいながら、でも、近付いていくのです。
なんともいえない不安定な感じに、胸が締め付けられるようでした。
もう、本当に面白かったです。

収録
輸入インテリア会社社長榊正彦×取引先リーマン岡田一樹。
嵐のあと 」の2年後のお話だそうです。
交際に年、同棲して3ヶ月の二人。
一番、ラブラブである時期のはずなのに、なぜか、うまくいきません。
もう一歩、互いを理解しあうまでのお話でした。

ゲイとノンケのカップル、というのは、常にこういう問題に晒されているのかなあ、と思いました。
まあ、信じるしかないし、信じさせるしかないのですが。
絆が深まって、よかったです。

どちらのカップルのお話も、ハッピーエンドです。
読後も、すごく素敵なのですが「御伽噺ラスト」という感じではありません。
ちょっぴり、ほろ苦さを感じるラストです。
なんとなく、しんみり。
その後も、二人で力を合わせて乗り越えてね、と思うお話です。
とってもとっても素敵な一冊です。
未読の方は、シリーズ3冊まとめての読破をお勧めいたします。
本当に面白いです。

相変わらず、絵が素敵ですねえ。
表紙にうっとり、口絵にうっとり。
絵だけでも購入の価値アリなのに、内容まで素晴らしいとは。
憎いコミックスです。

さて、エロ。
高校時代の初々しい初Hと、再会後の大人H。
相当エロいです。
深い愛情と、「必死」って感じが伝わっくるような、いいエロでございます。
よきエロで、かつエロい。
言うことナシです〜。
「嵐のあと」の二人のHも入っていて、サービス満点。
amazon日高ショーコ

思わせぶりな君のとなり

2012年03月05日 23:39

大学後輩2回生ゲイ真木崇×先輩3回生西野晃史
お気に度 5点     H度 5点

思わせぶりですね〜、受けが。
「攻めにジタバタさせるボーイズラブ」は、とっても少ないので、相当楽しく読みました。
天禅さんならではの持ち味ですねえ。

明るくて、楽しいタイプの西野は、よく知らない後輩の真木とルームシェアすることになります。
落ち着いていて、無口な真木とは、性格が正反対なので、最初は、気まずく感じます。
でも、徐々に真木の優しさや可愛らしさに気付き、居心地よく感じるようになります。
「ルームメイト」として、うまくやっていけそうだ、と思い出した頃、真木から「告白」されます。
そして「好きだからこそ、一緒にいられない」といわれます。

真木がゲイと知らないノンケの西野は「そんな気持ちは気の迷いだ」といい、今までみたいに一緒にやっていこう、と言います。
恋する男の弱さでしょうか?
うっかり、その申し出を飲んでしまった真木。
天国と地獄を行ったりきたりすることになります。

真木の苦悩が、わかりすぎるほどわかります〜。
「好きだ」と告白した相手に、この距離感で来られたら「自分に気があるかも」と思いますよ〜。
まあ、ゲイとノンケという壁はありますが。
でも、西野が警戒心の薄いタイプというか、無邪気と無神経紙一重タイプというかなので、自分から、ふらふら近寄ってくるのに、接近しすぎた、と感じたら後退するのですよねえ。
西野からの好意は、確かに感じる。
でも、どこまでの気持ちなのか?
どこまでなら、近付いても許されるのか?
ええもう、煩悶しています。

耐え切れないから離れようとすれば、すがり付いてくるし、すがってきたから、もう一歩距離を縮めようとすれば後退。
いやいや、本当に翻弄されていました。

かなり楽しく読みました。
「憎めない受け」でした。
このテイストは、天禅さんならでは、と思います、本当に。
可愛くて、愛らしいお話です。
「たまには攻めも悩みやがれ」と思っていらっしゃる方には、ぜひぜひオススメ。
それ以外の方にも、もちろんオススメの一冊です。

さて、エロ。
セクシーです。
かなり濃厚です。
清潔感のあるエロ、に仕上がっております〜。
満足です。
amazon天禅桃子

振り返ってみてみれば?

2012年03月04日 23:17

幼馴染大学生賢朔×政己
お気に度 5点     H度 4点

09年に発売された「奪われることまるごと全部 」の関連作?です。
リンクというほどでもないかなあ、と思いますが、読んでたほうが、5倍楽しく読めます。
奪われることまるごと全部 」には、10年に発売された「好きというのになぜかしら? 」というリンク作が出ています。

相変わらず、阿部節炸裂ですねえ。
「勉強も出来ないけど頭も悪い今風の男の子」たちのお話でした。
これは本当に、現役にしか出せない味かもしれないですねえ。
昭和と平成の境目付近で青春を過ごしてきたおばさんである私には、想像すらもできない空気感です。
「ストーリーの中に入り込み、キャラに感情移入して一喜一憂する」というよりは、「第三者目線で、他人の恋のアレコレをデバガメ」というお話かな?
楽しくデバガメできました。
面白かったです。

では内容。
表題作の前に、別カップルのお話が収録されています。

<愛おしいってそれだけで>収録
大学寮舞台居小沢×寮生宮田。
ゆる〜いところで気が合っている小沢と宮田。
寮の空き部屋を使い、商売までしています。
しかし、ひょんなことから、小沢は、宮田との恋愛観の違いを知ります。
あくまでも、ゆるく軽くな小沢に対し、宮田は、ベタベタな恋愛観。

それ以来、なんとなく見る目が変わってしまいます。
「ええ、そんな人だったの?」というだけでなく、なにやら可愛く見えてしまいます。
宮田に、本気の彼女がいて、二人がうまくいってることに、イライラしてしまいます。

もしやこれが恋!?
そんな二人が、恋人同士になるまでのお話です。

そして、表題作「振り返ってみれば?」の二人。
幼馴染大学生賢朔×政己。
この子たちも、まさに、イマドキの子。
なんていうのか、打たれ弱い!
そして、自己中。
本当に、特徴を掴んでいると思います。

幼馴染の賢朔と政己。
思春期になり、賢朔が異性にモテだしたのが、面白くない政己。
なぜか、賢朔の上に乗っかって、肉体関係に持ち込みます。
その後、大学生になっても、セフレのような関係です。

「結論を出す」ということを、嫌う子が多いですよねえ、最近は。
努力嫌いで、なんとなく、ゆるゆると過ごしてるのに、自分の思う方向に進めなければ、落ち込む。
いやいや、繊細で面倒です。

そんな状態で、政己は賢朔を支配していたのですが、ある日、賢朔に「もう僕に触るな」といわれてしまいます。
なぜ、今更、そんなことを言うのか?と問い詰めることは出来ません。
そして、賢朔が好きだから、乗っかっていたのだ、という告白もできません。
ただ、にこやかに冷たくなった賢朔にオロオロするばかり。

さて、そんな二人は、というお話です。

全体通して、こんなに軽くていいの?
こんなにゆるくていいの?
という感じなのですが、今の子って、こんな感じなのねえ、と、妙な説得力。
もうちょっと考えてみれば、私が若い頃も、実は、こんな感じだったかも、と思い出したりしました。
死ぬの生きるの、恋愛につまずいて自暴自棄になるとか、そこまでロマンチックに思い込んだりはしなかったですねえ。
もうちょっと言葉使いは、よかった気がしますが(笑)、今も昔も、恋愛に対する情熱は、この程度だったかなあ、と思います。
ただ、向き合い方が違うのかな、とも思ったり。
色々な意味で「面白い」と思うコミックスでした。

最近、ちょっと気になるのが、絵です。
目つきが怖いです〜。

さて、エロ。
わりあい濃厚です。
目つきの悪い子達が、Hの時に可愛くなるのが、よかったです。
amazon阿部あかね

リアリストによるロマンチシズム

2012年03月04日 23:17

大学准教授戸高啓一郎×助手名波佑希
お気に度 5点     H度 3点

偏屈准教授と、お人よし助手のロマンスです。
面白かったです。

一番「おっ」と思ったのが、受けキャラ。
得意は、家事と人の世話を焼くことです。
こういう受けキャラの場合、思考や行動が、女子っぽいことが多いですが、この子はしっかり、男子です。
お人よしですが、凛々しいです。
さっぱりしたいい子でした。

さて、内容。
平凡な大学に入学し、平凡な成績で就職活動中の受け・佑希。
なかなか就職も決まらない中、父親が紹介してくれた仕事は「准教授兼コメンテーター」として活躍中の戸高の助手。

戸高は、人嫌いで、自分勝手で、面倒な人でした。
仕事の内容は、そんな戸高の秘書業務と、おまけの雑用。
この「おまけ」が、なかなか大変です。

当初、暴君のような戸高に振り回されるのですが、徐々に、戸高の「よさ」もわかってきます。
また「孤高の天才・戸高」にとって、佑希は、欠かせない人になっていきます。

というようなお話です。

屁理屈偏屈な攻めの「可愛げ」を見つけるのが、楽しいお話でした。
こういう相手って、本当に面倒なのですが、好きになるとハマってしまうタイプですねえ。
頭がよくて、社会的地位もあり、金に困ってなくて、上から目線の嫌味男なのに「私がいないとダメかも」と思わせられるタイプです。
でもまあ、普通は、音を上げるかな、と思います。
少なくとも、私には無理です〜。

が、それを見捨てないのが佑希。
もともと世話好きで、家庭的なのに逞しいところがある子。
たまに戸高が見せる「優しさ」や「可愛げ」を拾い上げていきます。
こういう加点式で、人を見られるのって、いいことだなあ、と思いました。

噛み合ってないようで噛み合ってる二人のやり取りを楽しく読みました。
うまいこと、互いを補い合ってるカップルです。
カバーしたの一コマ漫画に全てが詰まってるような作品。
とっても面白かったです。

さて、エロ。
BL界平均値やや下、というところかなあ。
木下さんにしては、頑張ってる、と思いました。
amazon木下けい子

熱っぽいですよ?

2012年03月04日 23:16

名門男子校理事長兼保健医境川要×数学教師矢田紘一
お気に度 5点     H度 5点

すがすがしいほどラブコメです。
攻めが「名門男子校の保健医兼理事長」という「あるあるキャラ設定」です。
「読まなくっても内容がわかる」という超オーソドックスなBLです。
が、とってもとっても面白かったです。
王道であるだけに、作者さんの個性に合うか、合わないかで、評価が変わってくるかと思います。
真山さんのギャグセンスや小ネタは、とっても面白いので、私には、面白かったです。

絵も、随分、上達されたかと思います(←上から目線)。
身体の曲線や、皺の描き方が、もう一つかと思いますが、充分、許容範囲内かと思いました。

さて、内容。
公立高校から、引き抜かれてきた数学教師・矢田。
勤務初日に風邪気味で、保健室のお世話になることになります。
そして、風邪の治療だけでなく、色々イタズラされて……。

というお話です。
ラブストーリーというかエロストーリーも、面白かったです。
ややSッ気のある境川に何かと翻弄されている矢田が気の毒ながら、クスクス笑いながら読みました。
「おふざけノリ」ですが、決めるところは決めてます。
それぞれのキャラも、理事長らしい、数学教師らしい魅力があります。
「ちゃんとした大人」の部分を持っています。
人間的にチャーミングです。

生徒がらみの事件や、境川家の事情に巻き込まれたりと、飽きさせない展開になっています。
本当に面白かったです。

楽しいラブコメが好きで、少々絵がアレでも許せる、という方には、絶対にオススメの一冊です。
私、本当に、真山さんが好きです。

さて、エロ。
結合するまでには時間がかかりますが、毎話毎話、保健室にて、Hシーンが繰り広げられています。
濃厚で、エロエロレロレロですが、不潔感は全くありません。
そして、エロエロレロレロなのに、あんまりエロくないのは、いつものことかと。
これは、やっぱり、コマわりとか、絵の表現力とか、そういうことかと思います。
絵さえねえ、と思うこの頃です。
amazon真山ジュン

ダミー

2012年03月03日 21:23

元同級生再会モノ34歳SP国沢祥吾×エスコート事務高科環
お気に度 5点     H度 5点

エスコートシリーズ 」第八弾。
ニューカップルのお話ですが、もちろん、今まで活躍?暗躍?してきたメンバーも登場です。
ただ、昨年、イレギュラー的に発売された「クライアント」の二人は、残念ながら登場していません。
というか、この「クライアント」は、カバー折り返しに紹介されている「水壬楓子の本」のリストに載っていないのですが……。
なかったことになってるの?

兎にも角にも、嬉しいです〜。
最近、水壬さんのお話は「下半身のみ元気なヘタレ攻めばかりで飽き飽き」と思っていましたが、随分、修正されています〜。
「肉体関係を持ってから」というのが、一つのポイントになっていますが、それほど、しつこくありません。
面白かったです。

さて、内容。
今回は、事務方にスポットライトが当たっています。
「リミット」に登場した由惟の上司にあたるのかな?
また「エスコート」創業時のメンバーでもあるようで「裏ボス」という位置づけでしょうか?

裏方の環ですが、今回は、とある「海外拠点ジャーナリスト」の身代わりとして、表舞台に借り出されることになります。
命を狙われているジャーナリスト・海藤ですが、日本政界がらみの事情から帰国してくることになります。
命の危険があるわけですから、誰かが守らなければなりません。
しかし、ジャーナリストとして活動はしたい。
幸い、海外拠点で、顔も知られていないから、誰かを身代わりに立てよう、と考えたわけです。
白羽の矢が立ったのが環。

「海藤」となり、警護されることにになります。
「エスコート」のメンバーだけでなく、「SP」にも守られることになります。
やってきたSPは、大学時代の同級生・国沢でした。

不遇な子供時代を過ごした環は、大学時代につらい恋をし、破れます。
その後、同級生の国沢に思いを寄せるようになります。
しかし、自分の過去を思い返せば、とても「好き」などといえません。
大学卒業時、一度だけ、強要するように肉体関係を結び、国沢の前から姿を消しました。
それから10年。

というお話です。

かなり、面白かったです。
国沢と環の過去の話。
今現在の話。
この二人のラブストーリーが、まず、とってもよかったです。
環の過去には、久しぶりにブラック水壬の片鱗をうかがわせますが、それほど痛々しい感じはしません。
大学時代に、全く接点のない二人が、徐々に親しくなり、恋愛感情を持つまでのストーリーが、本当に良かったです。

それから、事件。
「エスコートシリーズ」ですから、当然、事件絡みです。
守られてるだけ、守ってるだけでは済みません〜。
ここも、どんでん返しがあって、本当に面白かったです。
書き下ろし超ショートにも大満足。

久しぶりに、超ドストライクの水壬作品でした。
「エエスコートシリーズ 」そのものが、超面白いです。
未読の方は、この機会に、是非是非、全作読まれることをお勧めいたします〜。

さて、エロ。
ガッツリバッチリです。
初々しいような大学時代の初Hと、三十路ラブラブHが、入っています。
かなり濃厚です。
満腹満足です。
amazon水壬楓子

スロウスロウ

2012年03月03日 21:23

30歳大手建築会社勤務萱森京介×40歳バツイチ子持ち現場監督成島一志
お気に度 5点     H度 4点

大好物のおっさんが出てきて、とっても面白いお話でした。

栗城さんが気の毒になる失敗がありました。
裏表紙の粗筋は、間違っています。
「下請けの現場リーダーをしている成島一志は、妻を亡くした後、一人息子と慎ましい生活を送っていた」
妻は亡くなっていません。
「自立した働く女性」で、息子出産すら渋ったようです。
結果、産むには産んでも、父子を捨て、そのまま社会に戻っていった女性です。
悪い人ではなく、きちんと養育費も納めている「BL的男前女子キャラ」です。
チラッと話に出る程度ですが、これだけの情報を得られるくらいには、描いてくれてますから、いきなり間違った粗筋つけなくても……、と、ちょと気の毒になりました。
「死別」と「離別」では、結構、受ける印象違いますしねえ。
粗筋をつけるのは、編集さんなのかな?
ちゃんと読んでるの?と思ってしまいました。

内容は、面白かったですよ〜。
「おっさん登場」なので、さらに美味しくいただけました。
現場リーダーをしている成島は、高校生になる一人息子と二人暮し。
元請と揉めた現場に、リーダーとして借り出されます。
元請施主の萱森について、聞いていた噂は最悪なものでした。

現場と萱森の間に入り、なんとかうまく回していこうとします。
が、それほど無理をしなくても、萱森は思慮深い落ち着いた人間で、噂と全然違います。
結局、その噂は「勘違い」ということがわかり、現場もうまく回るようになります。
そんな萱森は、成島には、特に親切にしてくれます。
成島は「いいヤツじゃないか」と思うようになります。

しかし、そこには「恋愛感情」が含まれていました。
自分はゲイで、成島を愛しているのだ、と告白されます。
前半は、成島が萱森の恋愛感情を受け入れるまでのお話です。

後半は、二人が「恋人同士」になるまでの紆余曲折です。
「同性愛」も大変ですが、なんといっても、ネックは、息子。

二人の関係を知っている息子は、それを歓迎しているようには思えません。
成島は、父親ですから、息子を無視して、物事を進めるなんてことは出来ません。
何より、息子に「嫌われる」ことを恐れています。
なので、どうしても、成島は「後回し」になり、息子にも、ビクビク接することになります。
なんだか、曖昧に日々を過ごしているうちに……。

大丈夫です。
二兎追って、両方ゲットです。

面白かったです。
恋愛と家族愛とのバランスがよかったです。
攻めの萱森は、「父親」である成島に理解を示そうとします。
事実「家庭優先で自分蔑ろ」という状態でも「大丈夫です」と笑います。
でも、ちょこちょこと、無理しているのもわかり、それをぶつけることもしてしまいます。
「できすぎてない」というところが、可愛らしかったです。

対する成島は、萱森の好意と物分りのよさに、胡坐をかいてる感もあるのですが、決めるところは決めています。
やっぱり、四十歳の父親だな、と思いました。

そして、息子の薫。
本当にいい子だよ、この子は。
幸せになって欲しいです。

「ハートウォーミングファミリー劇場」に偏っていないのが、本当によかったです。
8割は、ラブストーリーです。
栗城さんは、こういうバランス感覚が、すごくいいな、と思います。
おっさんが苦手でなければ、ぜひぜひ、オススメの一品です。

さて、エロ。
濃厚で、回数もバッチリです。
が、大人同士のエロシーンにしては、ちょっとお色気不足かな〜?
もう一つ、艶のようなものがあればいいのになあ、と思いました。
amazon栗城偲

意地っ張り姫の恋にが実る日

2012年03月02日 22:07

幼馴染年下攻めモノリーマン舘石春平×シェアハウス管理人古瀬誉
お気に度 3点     H度 5点

昨夏から発売されている「シェアハウスシリーズ 」の3巻目にして、完結巻です。
満を持して登場したのは、シェアハウスの管理人・誉と、8歳年下の幼馴染春平です。

手抜き感満載のシェアハウスストーリーでしたが、今回は、面白かったです!
受けのボケっぷりが、ツボに嵌りました。
サプライズパーティのとき、脳内で繰り広げていた妄想には笑いました。
アメリカドラマや、映画が好きな人には、かなり笑える妄想ではないか、と思います。

さて、内容。
一巻目から、犬のように誉に纏わりついていた、幼馴染の春平と纏わりつかれていた誉の恋のお話です。
この二人は、最初から両思いです。
春平は、ガンガン、アプローチしてきます。
誉だって、それにこたえたいけれど、世間体や、春平の両親のことを考えて、堪えています。
早く、自分を忘れて、可愛いお嫁さんを貰って、可愛い子供を作って欲しい、と思っています。
そんな二人が、すったもんだしながら、ラブラブになるまでのお話です。

最初にも書きましたが、今回は、好きなタイプの森本作品でした。
年相応に落ち着いたところもあり、「アホ受け」ではないのですが、なんか面白くって。
「1+1=2」という答えを導き出すけれど、たまに間違って掛け算して「=4」という答えを出してしまうタイプです。
妙にツボに嵌りました。

このお話を読むに当たっての注意事項〜。
お腹がすいてるときは、読んではいけません〜。
メチャクチャ美味しそうな家庭料理から、ホテルのコースまで、もうみんな、色々食べてます。
また、その描写が、一々美味しそうでたまりませんでした。

昨年出た2カップルのその後も読めます。
ちょっと棘のある雰囲気でしたが、基本、ラブラブ甘々エロエロハッピーエンド。
安心して読んでください〜。

さて、エロ。
大サービスですな。
3カップルのエロが、バッチリ描かれています。
最初のシリーズのカップルは、初Hなんですねえ、これ。
明るいあんあんHを堪能致しました。
amazon森本あき

セカンド・ラブ

2012年03月02日 22:06

高校同級生モトサヤモノパティシエ佐久間迅×リーマン竹内静流
お気に度 3点     H度 4点

かつての恋人と、元の鞘に納まるまでのお話です。

うう〜ん、イマイチでした。
最近、可南さんもイマイチ作品が続いてるのですよねえ。
あんなに好きだったのに、何でかなあ、と考えて、なんとなくわかってきました。

受けにいいたいこと。
「聞きたいことは聞けよ〜」
責めにいいたいこと。
「言うべきことは言えよ〜」

ですかねえ。
ハナっからバカップル状態で登場しているのに、必要なことを言ったり聞いたりしないから、勝手に揉めてる、という感じ。
なんだかもう、心配するのもアホ臭いわ、と、冷やっこい目でみてしまうのです。

キャラのパターン化も、厳しいです。
このお話は、出だしから、攻めも受けも好きになれませんでした。
攻めは、いつもの通り、恋愛になれてて、受けに出会うまでは下半身ゆるゆるで、肝心なことは言わないのに、余計な口ばっかり立つタイプ。
「金がないから同居させてくれ」と「お願いする立場」の人間のほうが、あんなに偉そうって、意味わからないわあ。

受けは、またアレですよ。
四角四面で面白みがないから、友達もいないことを自覚している、ロンリー君。
「僕は友達がいません」というキャラに、魅力を感じるのは難しいです。
わかってるなら、改善の努力しろよ、と思ったりします。
まあ、今回は、一人だけ、友達出てきましたけどね。
「自分は嫌われやすい」と思い込んでるわりには、モテてます、いつものごとく。
要するに、鈍いんですね。
それでまた、ネガティブ思考で、勝手にグルグルして、勝手に体調崩したりしています。
「可哀想」とも「健気」とも違うタイプで、もう一つでした。

高校時代、静流は、佐久間と交際し、恋に溺れていました。
生真面目が取り柄で、友達もいないような自分と、人気者で恋愛面でも発展家の佐久間。
それでも、二人は「恋人同士」として、付き合っていました。
しかし、佐久間が修行のため、渡仏することになり、別れます。

それが、2年ぶりに再会。
なんと佐久間は、いきなり静流のマンションにやってきます。
「出て行け」という静流でしたが、「無一文無職の知り合いを追い出すのか」などと、やり込められ、渋々、同居することになります。
う〜ん、この時点でダメでした。

受けは、本当にイヤなら、叩き出せばいいですからねえ。
そして、攻めには、上から目線で、無職の男が何抜かす〜という感じ。
うん、特に攻めに魅力がなかったです。
「俺様攻め」に分類されるのかと思いますが、こういう「強引さ」って、かなり苦手。
非常識だなあ、としか思えませんでした。

そんなこんなで、同居することになります。
再び、佐久間に惹かれていく静流。
「二度とあんな苦しさは繰り返さない」と思っていたのに、懲りません。
まあ、そんな二人が、もう一度、恋人同士になるまでが、前半。

後半は、恋人同士になってからの一悶着。
考えてることの半分でもいいから、打ち明ければ、こんなに揉めないんだって。

なぜに、そこまで耐える〜?
なぜに、そこまでマイナス思考〜?

攻めも、そうです〜。
なぜに、そこまで偉そう〜?
なぜに、そこまで言い惜しむ〜?

最後は、ラブラブハッピーエンドです。
読後感はいいです。

さて、エロ。
結構、濃厚です。
amazon可南さらさ